水泳で「自由形」と言うと、クロールと無意識に思い込んでしまっていますが、そもそも「自由形」なので、泳ぎ方は何でもいいんじゃないの?と気になりました。
今回は、
- 自由形とクロールの違いは?そもそも自由形とは?
- クロールより速い泳ぎ方はある!
- 自由形と言えどルールはある!
- 自由形でクロール以外の泳ぎ方で泳いだ選手はいるの?
- 自由形のタイムの日本記録と世界記録は?
- 自由形で速く泳ぐコツは?
について、お伝えします!
目次
自由形とクロールの違いは?そもそも自由形とは?
自由形はその名の通り、自由にどのような泳ぎ方を選択してもよいということです。
しかし、まず100%の選手がクロールを泳ぎますよね。
それは、自由形はどのような泳ぎ方でもよいので、とにかく速く泳ぐことができる泳ぎ方を選択するので、必然的にクロールになっていたんですね。
ちなみにですが、変な話、半分クロールで、半分平泳ぎだっていいわけです。
しかし、こちらの表をご覧ください。
50m自由形 | 20秒91 |
---|---|
50m背泳ぎ | 24秒04 |
50m平泳ぎ | 25秒95 |
50mバタフライ | 22秒27 |
こちらは、50mの各種目の世界記録です。
自由形が圧倒的に速いですね。
これは当たり前ですが「クロール」の記録です。
自由形と言えど、一番速く泳ぐことができるのはクロールだ!ということで、みんなクロールを選択していたということなんですね!
おそらくほとんどの人が、自由形=クロールと無意識に思い込んでいたのではないでしょうか?
クロールより速い泳ぎ方はある!
クロールより速い泳ぎ方は実はあります!
潜水です!
飛び込みしてしばらくは普通潜水しますよね。
ターンした後も同様に潜水します。
あれはクロールよりも実は速いんです!
でも、これルール上ダメなんです。
自由形と言えどルールはある!
どのような泳ぎ方でもOKと言いましたが、厳密にいうと、ルールはあります。
以下に一覧でまとめました。
- 審判庁の笛の合図後、スタート台に乗り、静止。出発合図員の「Take your marks…」で構えた後は号砲まで静止しなければならない。(※号砲前に動いたら失格となる。)
- 号砲後飛び込み、プールの端まで自分のレーン以外のところに行ったり、コースロープに触れたり、プールの底を歩いたり蹴ったりしなければどのような泳ぎ方でもOK。(※立つだけであれば、失格にはならない。)
- スタート後およびターン後の潜水は壁から15mまでとされ、それ以外の競技中は体の一部が水面上に出ていなければならない。
なるほどね!
確かに潜水でグングン進んでいけば、クロールより速そうですが、15mまでと決まっていたんですね。
自由形でクロール以外の泳ぎ方で泳いだ選手はいるの?
自由形という種目は、第1回アテネ五輪から存在している歴史の古い種目で、実は、第1回アテネ五輪では、全員が自由形を「平泳ぎ」で泳いでいたんだとか!
実は、この当時は息継ぎがあるクロール泳法は存在しなかったようです!
一方、平泳ぎは水面から顔を出して呼吸がしやすいということで、平泳ぎが選択されていました!
いやぁ、そんな事実があったとは知りませんでしたね!
後に、クロール泳法が登場し、自由形をクロールで泳ぐ選手たちが出てきました。
これによって、五輪委員らは、新しい速い泳法が出る度に新しい泳法を独立させるのではなく、五輪で歴史と伝統のある平泳ぎをする選手が毎回見られるようにと、平泳ぎのほうを新種目として独立させました。
結果的に自由形で平泳ぎを選択する選手はいなくなり、ほぼ100%クロールで泳いでいるという状態になったというわけです。
自由形のタイムの日本記録と世界記録は?
自由形のタイムの日本記録と世界記録を表にまとめてみました。(※2018年8月23日時点の記録です。)
男子
日本記録
種目 | 記録 | 選手 |
---|---|---|
50m自由形 | 21秒87 | 中村克 |
100m自由形 | 47秒87 | 中村克 |
200m自由形 | 1分45秒23 | 萩野公介 |
400m自由形 | 3分43秒90 | 萩野公介 |
800m自由形 | 7分49秒65 | 松田丈志 |
世界記録
種目 | 記録 | 選手 |
---|---|---|
50m自由形 | 20秒91 | セーザル・シエロ(ブラジル) |
100m自由形 | 46秒91 | セーザル・シエロ(ブラジル) |
200m自由形 | 1分42秒00 | パウル・ビーデルマン(ドイツ) |
400m自由形 | 3分40秒07 | パウル・ビーデルマン(ドイツ) |
800m自由形 | 7分32秒12 | 張琳(中国) |
1500m自由形 | 14分31秒02 | 孫楊(中国) |
女子
日本記録
種目 | 記録 | 選手 |
---|---|---|
50m自由形 | 24秒21 | 池江璃花子 |
100m自由形 | 53秒03 | 池江璃花子 |
200m自由形 | 1分54秒85 | 池江璃花子 |
400m自由形 | 4分05秒19 | 柴田亜衣 |
800m自由形 | 8分23秒68 | 山田沙知子 |
1500m自由形 | 15分58秒55 | 柴田亜衣 |
世界記録
種目 | 記録 | 選手 |
---|---|---|
50m自由形 | 23秒67 | サラ・ショーストレム(スウェーデン) |
100m自由形 | 51秒71 | サラ・ショーストレム(スウェーデン) |
200m自由形 | 1分52秒98 | フェデリカ・ペレグリニ(イタリア) |
400m自由形 | 3分56秒46 | ケイティ・レデッキー(アメリカ) |
800m自由形 | 8分04秒79 | ケイティ・レデッキー(アメリカ) |
1500m自由形 | 15分20秒48 | ケイティ・レデッキー(アメリカ) |
池江璃花子選手はまだ高校生で若いですし、東京五輪が非常に楽しみですね!
まとめ
- 自由形とは、自由にどのような泳ぎ方を選択してもよいということだが、結果的にクロールが一番速く泳ぐことができるということで、ほぼ100%の選手がクロールを選択する。
- クロールより、実は潜水の方が速いが、潜水は壁から15mまでとルールが決まっている。
- 実は第1回アテネ五輪では、自由形と言えど、全員が平泳ぎで泳いでいた。(クロール泳法がなかった。)
- 自由形の50m/100m/200mの日本記録は池江璃花子選手が保持している。
いかがでしたか?
自由形は何もクロールじゃなくてもOKだったんですね。
幼い頃、何でだろう?と思いつつも、これまで調べたりすることもなく、無意識に自由形=クロールと思い込んでいました。
クロールより速く泳げる泳法が今後出ることは考えにくいですが、いつかクロール以外で泳ぐ選手を見てみたいですね(笑)